人間の体は約37兆2000億個の細胞からできています。
「60兆個じゃないの?」
たしかに学校でも60兆個と習いましたし、他の記事でも60兆個と書かれていることもあります。
しかし、それは推定値であり、根拠があるものではなかったようです。
いまでは細胞の大きさが部位ごとに異なっていることがわかり、各部位ごとに算出され、37兆2000億個という数字が研究で発表されました。
37兆個の細胞の一部ががん化することで「がん」という病気になるのです。
日本の死亡原因第一位 「がん」
日本人の男性は2人に1人、女性は3人に1人。当たり前のように記事に書かれていますが
がんになることが当たり前の国になってしまってはいけません。健康を守るためには自分の意識が大切です。
なので、まず「がん」になる仕組みを理解しましょう。
細胞ががん化する仕組みとは
37兆個ある細胞のうち、3000億個(約1%)は毎日新しい細胞へと入れ替わっています。
細胞は細胞分裂し、新しいコピー細胞を生み出し、古い細胞は死にます。こうして古い細胞から新しい細胞へと入れ替わります。
ただ、新しいコピー細胞を生み出すときに間違って、異常な細胞を生み出してしまいます。
多くの場合は異常な細胞も死んでしまうのですが、一部の異常な細胞は死ぬことができなくなり、無限増殖してしまいます。
これが「がん細胞」です。
このがん細胞は毎日約5000個うまれていて、健康な人もがん細胞をもっているのです。
また「多段階発がん」というものがあります。
これは正常な細胞の遺伝子が2~10個ほど傷つくことにより、正常な細胞がだんだんとがんに向かって進むことから多段階発がんと呼ばれています。
遺伝子が傷つく要因は紫外線や食生活など様々なことが挙げられます
免疫細胞とがん抑制遺伝子
「がん細胞5000個って大丈夫なの?」
大丈夫です。白血球に含まれるリンパ球は細胞が正常か異常かを見極めて異常な細胞を攻撃して死滅してくれます。
ただし、免疫力が落ちることで、リンパ球の働きがきちんと働かないことがあります。
なので、免疫力をしっかりつけることが大事です。
また「がん抑制遺伝子」は細胞の増殖を抑制したり、細胞の遺伝子に生じた傷を修復する機能があります。
このがん抑制遺伝子は各細胞に備わっており、紫外線や、食生活で傷ついた遺伝子を治してくれます。
がん抑制遺伝子が機能できなくなる原因に「活性酸素」があげられています。
(また別記事で活性酸素について紹介させていただきます。)
がん細胞を死滅できないと
免疫が働かないなど、なんらかの理由でがん細胞が生き残ってしまった場合。
がん細胞は増殖し続けるしかありません。
約1cmのがんには10億個のがん細胞があると言われています。がん細胞が10億個になるまでには10~20年かかります。
なのでいま健康な人でも10年後、20年後には「がん」になってしまうことが考えられます。
10年後、20年後も健康でいたい方は生活習慣など一度見直してみてはいかがでしょうか。
世界一のがん大国
先進国の中で、日本は世界一のがん大国であると言われています。
アメリカと比較してもアメリカはがん患者の割合が低くなる一方で、日本はまだ増え続けています。
アメリカではファストフードなど健康とは対照的なイメージがあるのですが(※個人的な意見です。)
日本では健康意識が高い人が増える一方で、がん患者は増え続けています。
なぜなのでしょうか。
理由の一つとして、アメリカでは喫煙率が早く低下したことで肺がんの患者が減ってきたという記事を読んだことがあります。
日本では喫煙に関して取り組みが行われたのは、ここ最近のように感じます。
たとえば、分煙の普及、店内での喫煙禁止、たばこ代の金額アップなど
がん患者の多くは肺がんなので、日本のがん患者減少期もそう遠くない未来なのかもしれません。
また日本は寿命が延びたことにより、高齢化社会となっていますね。
- 長生きすることで、その年齢分、細胞分裂の回数が増える(=エラー細胞が生れる回数も増える)
- 高齢化により、免疫力の低下
などが考えられます。
がん治療に万能なものはない
「医療が普及したから大丈夫なのでは?」
確かに、医療も進歩していますし、知識量も日々増えてきています。
しかし、場合によっては治療が受けることができない状況もありますし
自然治癒力や免疫力を高めることを意識した生活でなんとかがんとうまく付き合っている方も存在します。
「いまの時代、がんになっても大丈夫でしょう」と言われたことがあります。
私はがん患者の1人ですが、とても無責任な言葉をいう人だなと思いました。
当人は励ましの言葉で使ったつもりなのかもしれませんが、必ずしも「がんが治る」というわけではありません。
いまの日本のがんの治療には手術・化学療法・放射線治療があります。
手術は腫瘍を摘出するやり方です。
きれいに腫瘍を取り除けたらいいのですが、他の血管や神経に癒着している場合、手術は困難を極めます。
手術の時間が長引いたり、摘出する場所によっては合併症のリスクが上がります。
つまりは、障害が出るかもしれないということです。
また体力を激しくもっていかれます。手術によって異なりますが、術後2~3日で回復する場合もあれば
退院しても歩いたり、階段上ったりするだけで息切れしてしまうこともあります。
次に化学療法です。
いわゆる、「抗がん剤」です。専門家には「増がん剤」などという人もいますが
がん細胞を小さくしたり、死滅させることに期待できます。
ただがん細胞のみならず、正常な細胞も傷つけてしまいます。
正常な細胞が傷つくことにより、がん化することもありますので、万能な薬ではありません。
そして副作用がかなりきついです。使う抗がん剤によって違うと思いますが、私は「BEP療法」という治療で
ブレオマイシン、エトポシド、シスプラチンという抗がん剤を経験しました。
最後に放射線治療ですが
腫瘍に放射線をあててがん細胞を死滅させるやり方です。
アメリカでは放射線治療をメインとし、抗がん剤の使用を控えるような動きがあると別記事で読みました。
放射線にももちろん副作用がありますし、すべての腫瘍に効果があるわけではありません。
私の場合、放射線治療は効果が期待できないと判断されましたので、経験したことはありませんが
治療する部位によって副作用が違うようです。
以上の3つが「がん治療の主」となるものです。
それぞれに長所もあれば短所もあり、必ずしも治るという保証もなければ、治らないという保証もありません。
それだけ「がんの治療」は難しい治療であり、パーソナルなものであるということです。
民間療法の判断は慎重に
がんの治療には民間療法といわれる保険の効かない治療法がいくつも存在します。
濃いビタミン濃度のものを点滴注射、副作用のない化学療法など、聞けば飛びつきたくなるような内容がほとんどです。
しかし、民間療法にはエビデンスがありません。つまり治るという証明ができていないのです。
医者もエビデンスがないもの、治療のガイドラインに沿ってないものは反対意見をもっています。
なぜなら、保証されていない治療を行うことはもちろんできませんし、もともとの治療に戻したい場合に影響がでるかもしれません。
主治医として未確認な治療を進めるわけにもいかないのです。
ちなみに、「5年生存率」という言葉を聞いたことがあるかもしれませんが
ガイドラインに沿って治療を行った生存率よりも民間療法で行った生存率の方が低くなっていることがあります。
治療法がある場合は主治医の判断に任せたほうが良いです。
また良い医者は民間療法を相談してもちゃんと話を聞いてくれます。
自分の体のことなので、当然、不安に思うこともあると思います。
なので思っていることは話しましょう。話しづらいことは看護師さんから聞いてもらうこともできます。
専門の相談スタッフがいる病院は担当の方に伝えましょう。治療以外でも支払い方法など親身に話を聞いてくれます。
最後に
大まかに「がん」の仕組みから治療法など簡単に紹介させていただきました。
この記事を読んで、がん予防を意識してもらえたら幸いです。
考え方によっては「がん」になってよかったという意見もありますが、治療は痛く、苦しいものです。
日本は「添加物大国」でもあると言われてますので、まずは食生活を見直してみてはいかがでしょうか。